あなたは、人間に見られてはいけなかった。
住居侵入罪でアトベッティ(※人間)は逮捕された。当然だ。正当な理由なしに、人の家の屋根裏に住みつこうとしていたのだから。だけど、彼には何か事情があったみたいだった。悪いこと、したかなあなんて少しばかり思ったけれど、そんなことはいつしか頭の隅へ、隅へ追いやられていった。
そして、そんなことがあったなんてすっかり忘れていたある日のことである。
なんと目覚まし時計が無くなっていた。どうして?アトベッティ(※)が逮捕されてから、屋根裏は壊したはずだったのに。
ぐるぐると考えながら一階の台所をうろうろしていると、どこからかアラームが聞こえてきた。どうやら、これは床下から聞こえてきているようで。いったん外に出て、床下を覗くとアトベッティ(※相変わらず人間)が寝転がって目覚まし時計をやけくそに叩いていた。
「止まれ…、止まれよ…!」