「今までどこ行ってたの?」
いきなり退職願出していなくなっちゃったから心配したよ、と閻魔大王は豪快に笑った。
水蓮もまた負けじと豪快に笑った。
「いろいろ行きましたよ〜
いろんな国の地獄制度を実際にこの身で体験して回ってきました」
「え?」
「地獄の制度整える時にみんなで聞いて回ったじゃないですか〜
その時にすっごい各国の獄卒の仕事とか気になっちゃって」
世界の獄卒体験ツアーです、と彼女は楽しそうにコロコロと笑った。
大王はそれを聞いて、それ病気だよ…と眉を下げた。
水蓮は昔から、気になったことはとことん追求したがる子だった。
「あ、鬼灯君は?
鬼灯君に会った?
あれ、今鬼灯君どこにいるの?」
「今、記録課にいらっしゃいます」
報告書を届けに来た獄卒は、記録課の者のようだ。
「悪いんだけど呼んで来てもらえるかな?」
「いや、いいですいいです
どっちかというと会いたくない」
「もうそろそろ帰ってきますよ
鬼灯様」
「私が何ですか?」
扉の外からひょっこりと顔を出した閻魔大王第一補佐官鬼灯。
その顔を見るなり水蓮はぐるりと背を向けた。