05
「どこかの誰かさんの働きが悪いせいで私に回ってくる仕事が多くて
丁度なんらかの対策を取ろうと思ってたんです」
「それってワシのこと…だよね…」
「よかったですね、大王
水蓮が来てくれたから、貴方の自由は無事ですよ」
「ワシ、拘束かなにかされる予定だったの!?」
鬼灯はひええ、と声を上げる呑気な大王をギロリと一瞥して、話を戻した。
「どうですか、水蓮」
「いやぁ、どうですかと言われましても…」
んー、と苦笑いをうかべる水蓮。
自分の自由は彼女に託されていると悟った大王は冷や汗を垂らしながらまくし立てた。
「水蓮は二代目第一補佐官候補だったんだし問題ないよ!」
「二代目第一補佐官…?」
「私は二代目の閻魔大王第一補佐官なんですよ」
「水蓮様が旅行に行ってしまわれたから鬼灯様が補佐官なんですか?」
「ニュアンスが大いにおかしいですが、そんな感じです」
「でも私ずいぶんこの場を離れてましたし〜」
「でも各国の獄卒やってたんでしょ!?
じゃあ大丈夫だよ!」
「でも…」
決断を渋る水蓮に、鬼灯はとどめを刺した。
「閻魔庁に残ってるお前の部屋、補佐官にならないと使えねえぞ」
「水蓮、ここ以外に住むところあるの?」
「地獄で入居者募集してる物件はそう多くないですよ」
「………やらせていただきます」
大王は万歳なんてしながらとても喜んだ。
それはそうだろう。
娘のように可愛がっていた子が、長旅から帰ってきた。
その上、また一緒に働けることになったのだから。
さらに自分の自由が守られたのだから。
「水蓮の部屋はそのまま残してあるもんね!」
「残ってますよ」
「あ〜、ありがとうございます…
えっと、とりあえず桃源郷行ってきますね」
引きつり笑いを浮かべながら水蓮は早足に閻魔殿を出た。
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