Crying Blue
空を見上げる度に、死にたい気持ちになった。死ななければならないような何かを感じた。両親が呼んでいるような気がした。錯覚だと分かっているのに、その感覚はなくならなかった。
いつものフェンスに登った。
空は今にも泣き出しそうな曇天だった。
「泣きたいのは私の方だ」
呟いてみた。
フェンスから降りて、縁に立った。
楽になれるかな。
飛び降りたら、きっと───
落ちた。
見えたのは校庭で、ああ落ち方を間違えたなあ、とぼんやり思った。
死ぬのは怖くない。
だけど空に行けるのか、それだけが不安だった。
「なまえ!」
名前を、呼ばれた。
「空がこんなに広いから、」
余計に独りを感じてしまったんだ。