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もうすぐ朝のHRが始まる時間なのに、人が来た。

「おはようございます」
「え…」

隣のクラスの人だった。
私を見て驚いたような顔をして立ち止まった。

「こんな朝からどうしたんですか?」

腕を骨折しているようだった。彼は1年生にして野球部のエースだった。

「何して…」
「私ですか? 私は空を見てるんです」
「…空?」
「はい」

今日も空は綺麗だった。

「自殺なら、飛び降りに限りますよね」
「…は?」
「空を見ながら死ねるから」
「……」
「きっと、幸せだろうなあ」

複雑な顔をする山本君に笑いかけて、屋上を後にした。
教室に向かう途中、たくさん人とすれ違った。山本君は人気者だから、きっと今日は屋上に人がたくさん行くだろうと思った。

すごく、迷惑だ。

今日は窓枠に切り取られた空しか見れない。

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