Beautiful Blue
空が綺麗だった。
こんな日になら、死んだっていいかもしれない。
屋上のフェンスに腰掛ける。
錆びたフェンスは風が吹く度に錆びた音を立てて、不安定に揺れた。
空が、綺麗だった。
手を伸ばしてみた。
フェンスが軋んだ。
風が吹いて揺れた。
バランスが崩れた。
落ちると思った。
空はやっぱり綺麗だった。
「今は授業中だよ」
落ちることは免れた。
私を引き上げてくれた風紀委員長は、開口一番そう言った。
「風紀を乱す奴は咬み殺す」
「…助けてくれてありがとうございます」
「……話、聞いてるの?」
雲雀さんはため息を吐いた。
「自殺するなら学校の外でやってよ。風紀が乱れる」
「…ふふっ」
「……何がおかしいの」
雲雀さんは不機嫌そうに私を睨んだ。
「いえ、別に何も」
「…早く授業に戻りなよ」
「はい」