memo | ナノ

Diary

 隣の芝生は青い

昔から、他人の持っているものが欲しくなった。

他人が大事にしているものが、どうしようもなく美しく見えて、堪らなく私の欲をそそった。
おもちゃ、お菓子、本や、人間に至るまで。それが何であれ、羨ましくて仕方なかった。

しかし不思議なことに、一度手に入れてしまうと、それらは途端に輝きを失った。あんなに美しく見えた全てが、自分のものになった瞬間、色をなくしていくのだ。



ある時私は気が付いた。

私はその「もの」が欲しいのではなく、「他人の持っているもの」が欲しいのだ。


気付いた瞬間、絶望した。


自分はなんと卑しいのだろうか。
自分では何も望めない、他人を羨むことしかできない、最低のクズだ。


だから私は、自分の欲を押さえ込む術を覚えた。

どんなに美しくとも、それは手にいれた途端に意味を失う。
手にいれる必要はない。私ではない他人が持つから輝くのだ。


隠さなければ―――こんな卑しい私など。

消してしまわなければ―――他人を羨む気持ちなど。


誰にも見付からないように。
自分ですら忘れてしまうように。

奥深く、心の底の底まで。

欲を、沈めた。







って隠してた欲がジョージくんにバレちゃった。

幼い頃から他人の持ち物が欲しくなる。特に仲の良い人のものは輝きが増す気がする。でも「欲しい」と「好き」は違うもの。すぐ気付いて隠してきたから、他人から見たら欲のない女の子。でも中身はそんなことない。
同じ寮のフレッドと親友のアンジェリーナが付き合ってるのを知って、「いいなあ…欲しい」とずっと思ってた。でも別にそれは恋じゃない。いつもの悪い癖だから、手にいれたら要らなくなることも分かってる。フレッドとアンジェリーナはお互い純粋に好き同士なのに、私はどうして普通に人を好きになれないのか。どうして好きでもないのに欲しくなるのか。自己嫌悪。でももう欲しい気持ちを隠すのも上手になったから、まわりは誰も気づかない。フレッドとアンジェリーナとも、いつものようにお話できる。
ジョージはそんな彼女をずっと見てた。笑って話す彼女の目に、諦念と羨望が一瞬だけ浮かんでたのにも気が付いた。実際、彼女はフレッドに横恋慕してるわけではないけれど、まあ他人から見たらおんなじこと。「俺は相棒と同じ顔だよ」なんて、口説き文句にしては随分気弱な台詞ですね。「ジョージくんは私のことが好きなんですか」「……好きです」「ジョージくんは良い人だし友達としては好きですが、恋人になりたいと思ったことはありません」うわ脈なし…。落ち込む。「今までは」「……ん?」「でもこれから先のことは分かりません」付き合ってから見えてくる良さもきっとある。それでも良ければ。ということでお付き合い開始。
そこから、彼女がフレッドのことが好きって勘違いしてるジョージと彼女のなんやかんや。最終的にはジョージのことが好きになる。「手に入れたのに色褪せないのは初めてです」。満たされたから、欲しがりもなくなりましたとさ。







まとまらないし長くなりそうなので没。どっかに似たような話ありそう。
しかし何も考えずに思い付いたまま並べていくとこういうことになるんですね、勉強になりました。推敲が大事なのです…(粛々)
2015/11/09 02:47

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