スカルさんと四月




「4月ですね」
「ああ」
「エイプリルフールですね」
「そうだな」
「4月バカですね」
「おう」
「じゃあ04月01日はスカルさんの日ですね」
「そうだ……は!?」
「知ってますか？ エイプリルフールは嘘吐いていいんですよ」
「知ってるわ！ バカにすんな！」
「スカルさん大好きです」
「どういう意味だ！」
「春は何故か変質者が増えますよねー」
「暖かくなったから開放的になっちまうんだろうな」
「スカルさんは春夏秋冬変わらず不審者ですけどね」
「あぁ!?」
「ライダースーツにヘルメットが普段着って……不審者のお手本じゃないですか」
「てめー！ 喧嘩売ってんのか！」
「はい。今月ピンチなんで買ってもらわないと困るんです」
「現実問題かよ！」
「あ、そんなことより、おやつの桜餅美味しかったですか？」
「……食ってねー」
「え、何でですか？」
「……食おうとしたら、野良犬に取られた」
「……」
「……」
「……」
「……」
「…あんこの代わりにドッグフード包んだのがいけなかったのかなぁ」
「そうだな…………いや待て！」
「仕方ないですねぇ。じゃあまた今から作りますから待っててください」
「待て！ いいから待て！ その手に持ってるネコ缶は置いていけ！」
「そう言えば、さっきの話ですけど」
「無視すんな！ ネコ缶を大事そうに抱えんな！」
「エイプリルフールで嘘吐いていいのは午前中だけなんですって」
「……え？」
「じゃあ、私は今から厨房に籠もりますんで絶対に覗かないでくださいね。来たら燃やしますよ」
「…え？ え？」





「じゃあさっきの嘘は……え？」