memo | ナノ

Diary

 くだらないけどね

スカルさんと一月




「1月ですねぇ」
「そうだな」
「あけおめでとうです」
「微妙な略し方すんなよ」
「ところで、さっきから遠くの方でガンガンガンガン鳴ってるの何ですか?」
「除夜の鐘の音をガンガンとか言うな! 風情がなくなるだろ!」
「ああ、除夜の鐘でしたか。年の数だけ打つやつですよね」
「ちげーよ! 節分混ざってんじゃねーか! 煩悩の数だよ!」
「108とか半端すぎますよね。いっそ四捨五入して110とかにすれば良くないですか?」
「いや110も大概半端だろ」
「じゃあ渋谷っぽくして、109回とかでもいいですけど」
「さらに半端になってるけどな」
「ちょっとスカルさん何なんですか、その態度は。もっと真面目に考えてください」
「いやオレらが真面目に考えたところで、煩悩は108だから」
「何の努力もしないで決め付けるなんて馬鹿のすることです」
「いや、何か良いこと言ってるみたくなってるけど、お前煩悩の数変えようとするほうが馬鹿っぽ……」

ヒュンッ
ガンッ

「ぎゃあぁぁあ! おまっ、危な……何すんだバカ!」
「煩悩なくしたいなら、鐘なんかちまちま叩くより、本人をガツンと一発叩いたほうが早くないですか?」
「だっ、お前は! トンカチで叩くとか! 殺意しか感じられねぇよ! 煩悩の前に命がなくなるわバカ!」
「殺す気はなかったですよ? あんまり」
「あんまり!? やっぱ少しは殺意あったのかよ!」
「否定はしないですけど……、でもほら、スカルさんの煩悩をなくしてあげようって思って」
「死んだら意味ねーだろーがーっ!」
「えぇ? 大丈夫ですよ。スカルさんなんか生きてる意味すらないじゃないですか」
「こ ろ す ぞ」
「落ち着いてくださいスカルさん。ジョークですよジョーク、ね?」
「ね? じゃねーよお前の冗談にはトゲがあるんだよ」
「は? 焼いたんですか?」
「コゲじゃねーよトゲだよト・ゲ!」
「あ、そういえばコゲって食べ過ぎるとガンになるらしいですよ」
「いや、そんなに食わねーだろコゲは」
「え、苔?」
「コケなんか食う奴いねーよ! 魚か!」
「くだらないこと言ってないで、早くお餅食べましょうよ」
「……」
「さあスカルさん、思う存分喉に詰まらせてください」
「そんなことしたら死ぬわ! …つーか焼いてねえ角餅渡されても食えねーよ!」
「え? 焼くんですか?」
「普通だよ! そのまま食うわけねーだろ!」
「焼けば良いんですね、黒コゲになるくらい」
「コゲへのこだわり捨てろ! どんだけ焼くつもりだよ!」
「黒コゲ危機一髪?」
「それヒゲだろ!? というか危機一髪って殺すつもりか!」
「どのくらいコゲ食べ続けてたら死にますかね?」
「オレで実験すんな!」
2012/01/03 01:13

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -