memo | ナノ

Diary

 ストックがないと不安

「運命なんてものがもしも本当にあるならさ、それはひどく滑稽で悲しく不幸なことだよね」
「は…?」
「私たちは、決められたルートに沿って決められた瞬間に決められた台詞で決められた茶番を演じていることになる」
「……」
「そこには選択の余地なんて存在しなくて、目に見える選択肢の中で選ばれるのはたったの1つだけ。他の選択は存在する意味すらない」
「うー…ん」
「こんなくだらないやり取りだって運命に決められたことで、そこには自由なんてないんだよ?」
「……」
「出会えたことは奇跡でもなんでもない。最初から決められてたことなんだ」
「……だから、決められてたことが奇跡なんだろ?」
「…え?」
「運命が何によって決められたかなんて知らないけど、君が出会う一握りの人間の中に、64億分の1の僕という人間が選ばれたのは奇跡と言っても差し支えない」
「……そんなこと言われてもピンとこないよ。確率論だって意味ないんだよ? 決められてる事なの。確率はいつだって1なんだ」
「確率が1になるようになってることがもう奇跡なんだよ」
「決まってることが決まってる通りに起こることの何が奇跡なの?」
「決まってることが起こることじゃない。決まってることが決まった段階が奇跡だ」
「───」
「出会えたことは奇跡じゃない。…でも『出会うという運命』は奇跡だろ?」
「……」



でっていう^∇^
2011/10/05 12:33

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