西の空



「……ん?」

「どうした、雅」

 既に日が暮れ先に町まで戻ってきていた雅と珀憂だったが、その際ふと雅が何かに気付いたように立ち止まり、今来た道を振り返った。

「いえ……今何か爆発音のようなものがした気がして……」

「おい、あれはなんだ!」

 突然近くにいた男が、遠くの空を指差し声を荒げた。

 それにつられて二人もその先に視線を向かわせる。

「っ!あれは……!」

「どういうことだ……」

 煌々と赤く燃え上がる西の空。

 その方角にあるのは――

 二人は顔を見合うと、急いで屋敷の方へと駆け戻っていったのだった。




  



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