神憑について



 ほう、神憑(カミツキ)について詳しくしりたいと。そうですねぇ……まぁ簡単に言えば、彼らは人にして人にあらず。いえ、実際人ではないのかもしれませんね。

 ですが、さすがに本当に神のような力があるわけではありません。しかし中には魔法を使うことに特化した者や異形の姿に化けられるという者もいることですし、確かに普通の人間から見れば神の力と言われるのも頷けることでしょう。

 ……まぁ、中にはそれとは違う紛い物も存在しているのですが……。とりあえずその話はまたの機会として、話を変えると、神憑には現在、大ききく分けて二つの種類が存在しています。

 あぁ、そもそも神憑とは、現在ではイレギュラーな能力を持った人のことを指すようですが、本来は文字通り『神にとり憑かれた者』という意味で通っています。皮肉なことに、神というよりは獣などの方に近いのですがね。

 さて。話を戻しますが、先ほど神憑には二つの種類が存在すると言いました。

 一つは、生まれる前から既に神憑として生命を宿した者。
 彼らは体力はもちろん、知能も高く、魔法や実戦でも数々の成績を残しています。また、その魂が転生する前の記憶も持ち合わせているため、自然とお互いを引き寄せ合うことが出来るようです。
 我々はこれを『先天性の神憑』と呼んでいます。

 そしてもう一つは、生後どこかで、何かしらの理由でとり憑かれることとなった『後天性の神憑』。
 こちらは先天性のものと比べて少し身体的能力に劣れがあるようで、一部の神憑からは劣等主とも呼ばれています。
 また、発症には個人差があるようで、自分が神憑となったことを知らないまま一生を終える人も中にはいるようです。もちろん、普通の人間から見ればどちらも同じ神憑なのですがね。

 しかしこの二つの神憑には見分けるための方法が存在します。

 ……それは、外見です。
 ほら、ちょうどあそこを通った眼鏡を掛けた男。彼の背中から白い翼が見えているでしょう?そう、ああいう普通の人間には無い……まぁ例えば翼や尻尾といった部位を持つのが先天性の神憑の特徴です。
 ……えっ?あぁ、もちろん、私の頭についているコレもそうです。分かりやすいでしょう?

 それでは、話はこれぐらいにしておきましょうか。私もそろそろ仕事に戻らなければならない時間ですし、また何か分からないことがあったら聞いてください。
 ……あぁそれと、あなたの配属は確か五番隊でしたね?あそこの隊長は少々気難しいかもしれませんが、根は良い奴ですので仲良くやっていけると思います。えぇ、よろしく伝えておいてください。

 では、改めまして。


「ようこそ、グレイプニル騎士団へ」




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