終わりやしない



 珀憂が去って間もなく、男は伏せていたその黄色の瞳を開き立ち上がった。

「――どうやら少し見くびっていたようだな」

 彼は落ちていた太刀を拾い上げると、それを引きずりいつもとは何ら変わらぬ足取りで先へと歩き出したのだった。

 “染み一つ無い”、赤い絨毯に新しい傷を付けながら。




  



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テーマ「人外ファンタジー」
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