不審



 コツ――コツ――

「さて、あの方はいったいどこにいるのだろうか」

 彼は手にした鍵の束を、一つ一つ眺めていく。

 そして、しばらく歩いたところ、廊下のとある一角でそのまま足を止めた。

「……」

 何も書かれていないその白い壁を、男はただ、眺めていた。

「……見つけた」




  



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