「ふふ、見つけた……私の新しいオモチャ……!」 少女は廻る、それは赤い屋根の上で。「ねぇ、檠與、本当に私が貰ってもいいの?」「あぁ、もちろんさ!そのために、君をここに連れてきたんだからねぇ」 似非紳士は笑う、それは明るく照らされた陽の元で。「さぁて、これから楽しい楽しいショーの始まりだよ。ねぇ、『フェンリル』?」 檠與が高らかに笑い、つられた茉淦も同様に笑い出す。 そして、街の雑踏を通りすぎていく人間達が声に気付いて上を見上げた時、既に彼らは煙と化して空に消えていった。