「昔みたいには甘いものは飲めなくなったものだ」

好きでもない甘い酒が入ったグラスを片手に峰さんが言った。それほど昔、っていうほど峰さんを知っているわけじゃないけど峰さんが甘いものを食べたり飲んだりしてるのはなかなかに見たことはない。
それに比べて俺は酒も甘いお菓子も見た目に似合わず好きだ。ジニにも意外だとは言われるけど。

峰さんは黙って立ち上がり部屋の奥へと消えた。それをただボーっと見ていたら数分もしないうちに戻ってきた。右手には値段の高そうな一升瓶。もちろん峰さんの好きな焼酎。

「やはり酒は焼酎だな」
「ソレ、やっぱり…」
「勿論」

ラベルをみたらやはり芋だった。
最初はなんだかんだで洋物が好きな俺につきあってくれるけど、最終的に峰さんの好きな芋になる。こうなると俺は何をはなしにきて、峰さんがなんて答えたかなんてわからなくなるくらい酔う。そして気がついたら自分の家にいてジニを布団がわりにして寝てる。

俺も酒は強い方なはずなんだけどなぁ…
峰さんに至っては強いとかの問題じゃなくて、ザルなんだよな。
なんでも飲むし。
最初の頃は焼酎がすきっていうから他はダメだと思ってたのにテキーラも飲むし、なんだっけ、あの、日本の沖縄とかいうとこの酒。あ、あわもり?アレもあびるだけのんで一人だけ素面状態だったし。
酒はたしなむ程度がちょうどいいんだよ。

毎晩晩酌って言っては酒飲んでるらしいし、付き合わされてるアメは大変なんだろうよ。

「ルー、大丈夫か?」

素面状態の峰さんにほぼ泥酔状態の俺。
かっこつかねぇなぁ。
これからきっと峰さんが家に連絡してジニに迎えにこさせる。そしてまた気がついたら家だ。

「峰さん」
「…なんだ」
「あんたなんだかんだ甘い酒も結構のんでるよ」

俺の記憶はそこで途切れた。








「ルーはさけよわいのか!峰はつよいんだな!さすが峰!にほんしゅ、おれものみたい!」
「うるさいぞ。」
「ちぇー。こんなんじゃルーおきねぇよー」

ピンポーン、

「ジニすまないルーがつぶれ…」
「ルーちゃん!!!!!!!!」
「……」




END





峰に付き合って最後まで飲めるのはアメとアラスカくらい(笑)アメとアラスカは峰と同じくザル。お国柄でね(笑)



太郎









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