*公衆便所で会いましょう、続き
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あれから付き合ってるのか付き合ってないのか曖昧な関係のまま依然としてセックスは続けてきた。今日は都の仕事が遅いらしいから俺はあの公衆便所に久しぶりに足を運んでみることにしたんだけれど、そこであり得ないものが……
「やうぅっだめっや、だったすけでぇっ」
「っるせぇなコイツ!!」
都が知らない男にレイプされてた。勿論俺は止めにはいる、「ちょっとアンタやめなよ」って。でも男が聞くはずもない、だいたいこんな所で誰かをレイプしようなんてヤツは多少のことじゃビックリもしなければやめもしないんだよねぇ、まず俺がそうだし?
でも俺がビックリする事になった。
「コイツいつもここにいたんだぜ?毎日毎日やってくれって顔してよぉ、だから俺がヤってやんだよ」
毎日毎日こんな所に来てる理由として『俺(織)だけじゃ足りないので公衆便所で出会いを求めていました』っていうのしか思いつかないけれども…じゃなきゃこんな所に毎日毎日来るはずないしねぇ。なんか萎えたなあ、都の明らかな俺に対しての気持ちがこんなもんだったなんて。
知らない男はグイと都を引っ張り俺と都が向かい合うようにした。向かい合った都は泣きじゃくって顔中が汁という汁でグショグショだし口からは嗚咽しかでてこない。あーあ、可哀想に。
「俺だけじゃ足りなかったんだね、今日はその男に慰めてもらいなよぉ」
俺はニコリと表情を作り冷たくいいはなった。その言葉に都の肩はビクリと震え一層泣きじゃくり一人じゃ立っていられない程になる。
これじゃあまるで俺が傷つけているようじゃない。
「は、っ…し、きさ、織さっん…いや、やだぁっ…ひっぐ」
ギュと俺の服を握る都の手は必死に助けを求めるようにして震えていた。俺は最低な人間だけど鬼にではない、助けてあげなくもない。それを決めるのは都。
「………何がしたいの?助けてほしいの?なんで?」
「ちがっう、からぁっし、き、しきさんがい、いのっごめっごめんなさ、いっ」
何が違うのかはわからないけど知らない男と都を引き離し、気が付いたら男を一発殴って公衆便所の外へ投げた。外からは男の喚く声が暫く聞こえていたけどいつの間にかそれも聞こえなくなっていた。
腕の中でしゃくりあげて泣く都の背中をゆっくりと撫でて落ち着くのを待っていた。
「………っぐす、こ、こわかった、」
「アンタねぇ、俺が襲ったのだってここだよ?なに考えてんの。」
ビクリと肩を震わせる。
少しきつい言い方だったかねぇ。
怒っていないのを態度に出そうと、都の頭を優しく優しく撫でていたら都もそれを察して安心してくれたようだ。内気な都の事だからここに来ていたのも何か理由があるはず。それをちゃんと聞いてあげよう。
目尻に溜まる涙を指ではらい、潤んだ瞳をしっかりと見た。
「こ、こに来たら…」
「うん」
「織さんが、いる気がして、」
「それで?」
「……気が付いたらいた、」
その言葉で一気に満たされていくような、そんな気がした。
また泣きじゃくる都をギュッと抱きしめて、決めた。出会いがここだったんだから、始まりもここからでいいはずなんだよねぇ。
レイプしたヤツが言うことじゃないけど。
「レイプ魔と付き合ってみる?」
「っ!!!えっ、は、い」