メールレス 18:48

スピカ様
お返事が大変遅くなってしまい、本当に申し訳ありません。大学生活のほうも、応援の言葉をいただいて、本当にありがとうございます。
短編の、赤司くんの「おや、」というお話ですが、黒子くんのお話と同じように、お察しの通り元ネタが存在しております。元ネタにさせていただいたのは、芥川龍之介作の「妙な話」という作品です。この話はちくま文庫より出版されております『文豪怪談傑作選 芥川龍之介集 妖婆』という文庫本で読むことができます。また青空文庫にも勿論掲載されておりますので、興味がおありでしたら是非読んでみてください。
そして、解説ということですが、人様に偉そうに解くにはまだまだ未熟なものですので、基本的に感じて頂けた通りに解釈いただければと思っております。けれどスピカ様がお話を読んだ上で混乱を招いてしまったようなので、それは私の力量不足ということで、簡単にですけれど、お話をさせていただきます。
まず、このお話は先にも出てきました、黒子くんのお話である「おやすみなさい」と対のようなものになっております。「おやすみなさい」のほうでは夏目漱石の夢十夜に題材を得させていただきました。そして、この二つのお話には、黒子→赤司という時系列が存在しております。そう考えて頂くと、赤司くんの最後のセリフもご理解いただけるのではないでしょうか。つまり、彼の話した怖い話というのも、それ自体は背筋がぞっとするものでもあります。しかしそこで彼は加えて、怪談として話したこの話は、聴き手であるヒロインが前日に赤司との約束を破り、黒子との密会をしたという、話に登場する妹と似たような行動をふまえたものになっています。赤司にはヒロインの行動がすべて分かってしまっていたのです。その上で、知らぬふりをして、怪談と称して彼は彼女に語り掛けていた、という話になっております。大変長くなってしまいましたが、このように拙い解説で、ご理解いただけたでしょうか。また何かあれば、遠慮なくお申し付けください。

res


 
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