「鉄郎!」
電話越しの聞きなれた声が自分の背後から聞こえる。
思わず振り返ってみると、そこには俺の恋人の姿が。
「澤…村?」
本当か自分の目を疑った。
だってこっちに来る用事なんて聞いてないし
昨日電話したときだっていつもと変わりなかった。
「会いに来たんだよ。お前に内緒で。」
「本当に澤村か…?」
信じられない。まさかここまで来てくれるなんて。
プライベートで会うのなんて初めてだ。
「何、びっくりしてんの。」
そう言われてほっぺを軽くつつかれる。
澤村の感触がする。本物だ。
「俺、明日には帰っちゃうんだけど
それまで一緒に居てもいいか?
無理にとは言わないよ。」
「今からバイトだけどバックれる。
どこ行く?ホテル?」
冗談で言ってみたら澤村は凄い真顔で
「いいけど鉄郎腰砕けて立てなくなるよ?」
「ば、馬鹿!ここ公共の場だから!!」
先に言ったのそっちじゃんなんて言いながら拗ねられた。
電話越しじゃあこんな表情も見られない。
なんかすごく嬉しくなってきた。
「澤村…。ありがとう、会いに来てくれて。」
「おう。」
end
この後どうなったかはご想像にお任せしますww