こんなにも早くこんな季節がくるなんて思いもしなかった。
でも、このことはみんな経験することだし仕方ない。
けどね、やっぱり寂しいんだよ。
バレー部の中でも背が高かったアノ人は
人数の多い体育館の中でもすぐに見つける事ができた。
ちょっと寂しそうででも誇らしげな顔をしてる。
ちょっと感傷的になりやすい人だから泣かないか不安だ。
3年生が引退してからプライベート以外で会えなくなった。
久しぶりに学校に来たと思えば卒業式。
「東峰 旭」
先生に呼ばれ返事をしながら立つ姿は凛々しくて。
ついつい見入ってしまった。
式も終わり帰り際に女子に囲まれる旭さん。
こんなにも人気だなんて今日はじめて知った。
なんか腹立つ…。
「のやー」
俺の姿を見つけて近づいてきた。
「卒業オメデトウゴザイマス」
「随分片言だな…」
旭さんともう一緒にバレーできなくなるのが寂しい。
もっと学校生活を一緒に送りたい。
そんな願っても無駄な願いが頭を過ぎる。
「のや?」
フリーズしていた俺を心配する旭さん。
「いや、なんでもないっス!!」
ニコッといつもの笑顔で笑う。
こういう時はどんなに寂しくても笑顔で送ろう。
end
卒業式ネタです…!!