後もう10分位で年を越す。
のやに初詣に行こうと誘われたのは昨日。
いきなりのことだったけど親は了解してくれて
今は烏野神社の鳥居の前。

だんだん人も多くなって来て
あのちっちゃいのやを探せるか心配だ。

「あさひさーん!!」

「お、来た。」

「なんすか!元気ないっすね!もっと気張ってくださいよ!」

今何時だと思ってるの!
いくら大晦日でテンション上がってるからといって普段は寝てる時間だし。

「俺は旭さんと念願の初詣にこれて幸せなんすからね!」

…今のはナシ。
まさかでっかい声でここまではっきり言われると
すっごい照れる。

「のや、もうすぐ時間だしそろそろ行こうか?」

「そうっすね!」

のやの手をしっかり握って人混みの中に入ってく。
ふとのやの顔をみるとちょっと赤く染まってる。

みんなが盛り上がっている所から少し離れた所で
年が明けるのを待つ。

「旭さん、今年もいろいろありましたよね」

「そうだな…」

「旭さんといっぱい思い出作れましたからね。」

「来年もいい思い出作ろうな」

ごー、よーん

神社にいたみんながカウントが始まる。

「旭さん!ちょっとしゃがんで!!」

「え?」

さーん、にー

のやに言われたとおりにしゃがんでみる。

いーち!

ちゅっ

「ハッピーバースデー!旭さん!」

周りはすっごいうるさいはずなのに音なんか聞こえない。

「ありがと、のや」

そう言ってお返しにまたキスをする。

のやは顔を真っ赤にしながらニコッと微笑む。

「初日の出なんかよりのやの笑顔の方が輝いてる。」

今年は初日の出見なくていいなーなんて言えば、

「旭さんめっちゃギザ!おっさん臭い!」

end



旭さん誕生日おめでとう!
はたしてこんなキャラなのか……

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