50000(匿名様)

 


「さあ、なめこ、存分に俺の事褒め称えな」
「うざっ、調子乗らないで」
「ほらほらほらほら、俺のいいとこ! 10個!」
「徹のいいとこ、ねえ……」

  10分経過

「ちょっとなめこ」
「ん?」
「もう10分も黙ってるけど、俺のいいとこはどうなったの」
「一生懸命考えてたんだよ」
「そんな深く悩むこと!?」

「……ひとつは顔でしょ」
「……なんか、違う気がするけど、うん」
「頭は……ネジが飛んでるし」
「ひどい」
「うーん、なんだろ。まあ女の子に優しいのは、うん」
「褒め方が微妙」
「でも誰彼構わずナンパみたいな声の掛け方はただのチャラ男だから減点」
「減点!? ちょっ、なにそれ!」
「みっつ……みっつめは……」
「既にネタ切れとかちょっと嘘でしょ……」
「あ、すっかり忘れてたけどバレーに対しての真面目な姿勢は好きだよ」
「えっ、あ、ありがと……」
「え、徹なに照れてんの引く……」
「俺の感動返して」

「ていうか今までの全部なめこの感想みたいなんだけど」
「まあ間違いなくそうではあるでしょ」
「四つ目以降は?」
「今必死に考えてる」「俺達何年の付き合いだと思ってんの! 10年は一緒だったのに!」
「いやー、ほら、私一時期徹のこと嫌いだったし」
「……バレー始めた頃ね」
「うん」
「……え、四つ目以降無し?」
「えーと……。ああ、まあ、なんだかんだ目敏いとことか?」
「目敏いって褒めてんのそれ」
「褒めてるって」
「納得いかない……」
「わがまま」

「あ、いいとこっていうか都合のいいことって思うかは別なんだけどさ」
「なにそれ……」
「嘘つけないよね」
「いや、それ岩ちゃんとなめこにはなんかバレちゃうだけだから」

「んー……だめだわ。これ以上出ない。無理。5つだね」
「顔と女の子に優しいとことバレーに対する姿勢と目敏いとこと嘘つけないとこ……? なにこれホントに褒められてるの俺」
「盛大に褒めてるじゃん」
「まともに褒めてくれたのバレーに対してだけじゃん!」


END?
 



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テーマ「人外ファンタジー」
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