⇒鏡魅様

 
※名字変換⇒ありのまま主名字、名前変換⇒恋愛相談主名字、紫原用変換⇒恋愛相談主名前で活用しています

パラレルワールド的なものの存在は、そのパラレルワールドの自分や友人と会してしまえば否定しようにも出来なくなるが。
かと言って、そのパラレルワールドの自分や友人が逆の性別であると言うことは、誰であっても信じがたく受け入れがたい物であっただろう……が。

「……なめこ、お前はなにをしているのだよ」
「メモ取ってんのよ!! こんな……こんな活きの良いネタがホイホイ広がってるのにメモ取らない馬鹿はいないでしょ!!」
「さすがエリ歪みねえ」

例外というのは、どこにだって存在するのである。

「ねっ、ねえそっちの緑間! あっ、真ちゃんて呼んだらいい!?」
「エリ興奮し過ぎな」
「別になんでもいいが。なんなのだよ」
「高尾の写メとかないの!?」
「ちょっと!?」
「あるが」
「あんの!?」
「見せて!」

するするとポケットから出したスマホをいじってから、すっとなめこの方へと画面を向けた。
思わず高尾もなめこの隣から覗き込む、と。

「高尾まんま妹ちゃんじゃん!」
「マジwwwだwww妹ちゃんだwww」
「……お前には妹が居るのか?」
「ん? うん、そだけど」
「……何度か高尾の弟に会ったことがあるが、そっくりなのだよ」
「ファーwwwwww」

どうやら、まるっと全部性別が逆になっているようだ、となめこは推察した。
と言うことは、美少女達の中に紛れて立つ二人の男子はこちらの世界では女子で、くたびれた顔の男子に絡むイケメンは。

「桃井ちゃん……!?」
「ハーイ?」
「ウワァァァァアア期待を裏切らないイケメン……!」
「えー? 照れるなー、ありがと!」
「そ、そっちの彼は……?」
「俺の大親友!」
「いやただの知り合い」

鬱陶しいから離れろ、と割と本気で引き剥がそうとする彼と、いやだー、怖いもんなんて言ってきゃらきゃらと纏わりつく光景になめこはなんとなく既視感を覚える。

(なんか桃井ちゃん(♂)て高尾とテンション似てんな……あと黄瀬とかと……)
「なあに? なめこさん」
「あ、ううん気にしないで! ええと、あなたは……?」
「あー……エリンギ。宜しく」
「エリンギくん、か」

残念ながらエリンギという女子の知り合いはいないし、念のために聞いてみたところ向こうにも、なめこという男マネは居なかったらしい。

「エリンギくんイケメンだからこっちに居たら絶対美少女だと思うんだけどなあ……」
「そりゃドーモ」
「なめこさん話わかるね! エリンギくんイケメンだよね!」
「桃井うるさいうざい」
「うん! 二人ともイケメン!」
「もー、エリンギくんの良さわかってくれる女の子に会えるとか俺感激だよ!」
「桃井ちょっと黙れお前」
「もがっ!? ふごごふがふご」
「うるせーなに言ってんのかわかんねーよとりあえず黙れほんとに」

ふんふんと鼻息荒く興奮した桃井に対して、だいぶ苛々した様子のエリンギに思わずこっそりにやけた。
今夜のおかずごちそうさまですなんて思いながらメモを取っていると。

「エリ」
「いっ……!?」
「そろそろお遊びはその辺にしろ。お前を興奮させるためにわざわざ起こしてやったわけじゃないぞ……?」
「いだだだだだだごめんてすいませんてわかったわかった痛い赤司離せ離して!!!」

ぎりぎりめりめりと頭をわしづかまれ、赤司の指がめり込んでいきそうなのを何とか引き剥がしながら、なめこは漸く真面目に状況整理をすることにしたのだった。


 



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