step6‐反省会
トリプルデート後日。
秀徳高校二年生某教室にて。
「デート楽しかったね〜」
「わさびの恨みは忘れない。絶対にだ」
「お前達がいると騒がしい上に危なっかしいから次は嫌なのだよ」
コミュ障の権化緑間にとって、希少とも言える親友二人の存在は、気の置けない存在であり。恋人に趣味を隠しておきたい緑間にとってはデートの時に側に居て欲しい相手ではないわけである。
一方、切り替えがしっかりしていて、楽しければ全てヨシなエリンギはそんなわけが無いし、意外にも奥手すぎる高尾は、未だに二人きりだと後輩との距離感を掴みきれずにいるので間にエリンギが居てくれた方が有り難いくらいのようであるが。
(そもそも高尾はまだ付き合ってすらいない)
「そう言えばやったね高尾! 間接キス!」
「だああああああやめろ忘れてたのに!」
「漫画かと思うくらい自然な流れだったのだよ流石だな」
「褒めてんのそれ褒めてんのねえ!」
「全力で褒めているが」
「うわぁあいらない!」
ニマニマとロシアンたこ焼きのくだりを蒸し返されながら高尾は、やっぱ俺も後輩に関わる時はそろそろエリンギが居ない方がいいかもしれない、なんて密かに思ったりして。