黒子と制服

 


「制服のプリーツスカートから脚が出てるのってエロいですよね」
「黒子ってほんと中身が見た目に伴わないよね」
「失礼な」

青峰くんの相棒やっててバスケ以外のとこ影響されちゃったのかな。由々しき事態だ。
こんな見た目文学少年がバスケ少年な事自体がギャップなのに、さらに爽やかオープンスケベときた。ギャップはありすぎると萌えるどころではなくドン引きだとこいつに教わった。

「プリーツスカートから出てる脚がエロい、ねえ……」
「制服から伸びてる脚は基本生足ですからね」
「あんたそれカントクさんに聞かれない方がいいよ?」
「カントクの前でこんな話しませんしカントクは僕の好みではありませんから」

あの人結構可愛い人だと思うんだけどなあ。
可愛いと言えば桃井さんも可愛かった。
もしかして黒子の好みって綺麗系なのかも知れない。

「なんか随分酷いリアクションばかりですが、僕だって健全な男子高校生ですよ?」
「でもなんかそういう話似合わない見た目なんだもんあんた」
「そうは言いますが僕だってついてるモンはついてますし溜まるモンは溜まりますし溜まりすぎたら抜きますよ」
「そういう生々しい話も聞きたくはなかったかな」

ドン引きパート2だ。
常に賢者モードみたいな顔をしてなんてことを言ってくれやがるのだ。それが男の悲しき性だと知っていても実際に聞きたいかと言われたらノーだ。さらっと下ネタを口走るのは本当に勘弁して欲しい。

「て、いうかですね」
「ん?」
「エリンギさん、さっきから文句ばっか言ってますが」
「だってさっきから最低な話しかしてないじゃん」
「そんな最低な男に告白されてok出したのどこの誰です?」
「私ですけど?」

そう。こんなんでも実は私達はいわゆる恋人関係にあり、もうじき一年になる。確か。
で、ついでに言えば。

「だいたいやることやってるじゃないですか。今更過ぎです」
「そうだけど。素面で聞きたい話でもなくない?」
「盛り上がれば話していいんですか?」
「今盛り上がる気無いから」
「残念です」

いつも通りの顔、いつも通りの声で言うからどこまで本気なのかわからない。全部本気なら多分こいつは頭がおかしい。
だってここ学校の教室だもん。

で、なんなの急にと問い掛ければ。

「いえ、ふと思ったから言っただけなんですけどね」
「ふと思うなそんな事……」
「男子高校生ってそう言うもんですよ」

しれっとそんな事を言うこいつに溜め息しか出ない。
ああ、そうだ強いて言うなら、なんて言うからうなだれていた顔を上げると。

「卒業したら制服使い道無いですよね?」
「そうだね。箪笥の肥やしになるんじゃない?」
「だったら、どうなってもかまいませんよね」
「……は?」

制服着たままって出来そうで出来ないんで、卒業式のあとにでもしてみたいなあ。

相変わらず爽やかな顔でほざきやがった黒子に、文句を言う気力もなく。
私はただただ脱力した。


 
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