黄瀬と姉のくだらない口論

 


リビングで課題を片付けて居ると、(このクソ寒いのに)ソファーでアイスをかじる二番目の姉がぼそりと呟いた。

「涼太さあ……」
「はい? なんスか?」
「学校楽しい?」
「なに藪から棒に……」

うわあんた藪から棒になんて言葉知ってたんだ、という言葉が帰ってきた。むかつく。我が姉ながら失礼である。確かにちょっと国語の点数は良いとは言い難いけども。

「いや、あんた部活の話以外しないしさあ」
「部活も学校じゃん」
「まあそうだけど、同級生の名前聞いたこと無いもん……笠松先輩がとか早川先輩がとか森山先輩がと小堀先輩がとか中村先輩がとか……先輩ばっかじゃん」
「黒子っちとか青峰っちとか緑間っちとか火神っちの話もするじゃん」
「そのへん全部他校じゃん」

しゃくしゃくとソーダのアイスをかじる口が、ねえ、友達居るの、ととうとう全面的に失礼な言葉を吐いた。

なんか真面目に返すのが癪になってきたのでううん、と少し考えて。

「愛と勇気が俺の友達っス」

とわざとらしくウィンクまでして答えた、と、言うのに。

「うわっ、友達居ないんだ」

なんていらんマジレス。

「ボケたんだからつっこめよ! てかなめこ姉ちゃんも友達いないじゃん!」
「ハア!? 居るし友達超居るし!」
「下僕扱いしてたじゃん俺知ってる!」
「うるさいぼっち! あんた今私も、って言ったって事は自分も居ないって言ったようなもんだからね!」
「俺めっちゃ居るもんね!」
「アンパン発言しといてなに言ってんのよバーカ! あんたは所詮食パンにはなれないのよ!」
「ドキンもどきななめこ姉ちゃんに言われたくねえ!」
「なんですって!?」
「ちょっとあんた達二人ともうるさい!! 私明日早いから寝るっつってんでしょ静かにしろ!!」
「「……ごめんなさーい」」

ぎゃあぎゃあと言い合っていると、痺れを切らしたように一番上の姉が飛び込んできて怒鳴られた。
ったく、とイライラした様子で出て行った後ろ姿を見送りながら、二人でボソボソとあんたの所為で怒られたじゃんだの姉ちゃんの所為だしだの小声で言ってたらまたそこからヒートアップしてしまって、最終的に二人とも殴られた(たんこぶ出来た)(本の角は反則だと思う)。

結局、課題は出来上がらなかった。



短編強化台詞
「愛と勇気が俺の友達っス♪」

 
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