緑間の隣の席

 


朝のHRで席替えをした。
そしたら、なんでかよくわからないのだけど高尾和成が来て。

「あのさ〜、よかったらエリンギさん俺と席変わってくんね?」
「え……こ、ここ?」
「うん。あー、あの、もしだめだったら明日からはまた戻ってもいいんだけど、取り敢えず今日だけでも」
「……? い、いいけど」
「サンキュ!」

じゃあ俺の席あっちだから、と彼が示したのは。

なんと学校一の変人と名高い緑間真太郎の隣であった。

おいマジか。マジで言ってんのか高尾和成。
うわっ、もう隣のやつと仲良くお喋りしてる!
お前の相棒(?)でエース様(?)なんだろ! 面倒見るの放棄すんなよ!

安請け合いするんじゃなかったかな、と思いながらはんぺんを握り締める緑間に取り敢えずよろしくね、と声をかけたら。
じっと私を見て。

「……お前、星座は?」
「……え?」

星座ってあれか、誕生日によってかわる十二星座の事だよな。

素直に答えたら、納得したように頷いて。

「よし」
「え、なんなの緑間くん」
「今日のおは朝のラッキーパーソンはお前なのだよ」
「あ……そうですか」
「ああ」

そういや彼が変人と呼ばれる謂われはそこにあったのだなあと思い出し。
そして更に私は余計な事を思い出した。

「……ちなみに緑間くんて星座は?」
「蟹座だが」

バッと振り向いて高尾を見た。
いつの間にか隣のやつと喋るのを止めてこちらを見ていたらしいあいつが、にんまり笑っていた。

……位は蟹座のあなた! 友達に素直になるといいことあるかも? ラッキーアイテムははんぺん、ラッキーパーソンはズバリ意中の人! そばに居れたら幸せだよね!



短編強化台詞
「今日のおは朝のラッキーパーソンはお前なのだよ」

 
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