縁下と彼女

 


「忘れてたわけじゃないの」
「う、うん」
「本当に違うよ? むしろ3ヶ月くらいまえからカウントダウンしてたくらいだよ?」
「うん、それは流石に気が早いね」
「まああの、確かに何がいいかなってずっと考えてて、タオルとマフラーって言う面白みのない実用性を考えたものにさせていただきましたけども」
「あ、うん。渡される前から中身暴露されるわけね」
「でも……っ! せっかくバイト始めたのに給料日がまさかの27日で……!! ごめんなさいこんなの本末転倒でしたうわああああ嫌わないでくださいいいい」
「エリンギ! お願い土下座は止めて! 体育館の外で土下座しないで! 顔上げて!」
「縁下ぁぁああああ……」
「……で、プレゼントは?」
「ごめんなさい……慌ててきたからラッピングお願いするのも忘れて普通にただの紙袋なの……ううううう……」
「あっ、うんわかった床と友達になるのは無し! 俺の為にも止めて!」
「きらわないでください……」
「……あのねエリンギ」
「はい……」
「俺、お前のそういうそそっかしくてちょっと抜けてるとこ好きだよ」
「……!!」
「だからさ、いい加減泣き止んでくれないかな。せっかく祝ってくれるんだからさ、」
「うん!! ありがとう! 縁下大好き! 誕生日おめでとうございました! 愛してる!!」
「そういうこと叫ぶのもやめて恥ずかしいから……! ここ体育館で部員いるから……!!」
「田中と西谷が超睨んでるよ」
「お前の所為だよ……」


 
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テーマ「人外ファンタジー」
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