アスパラベーコン巻男子とロールキャベツ女子

 


マネージャー仲間である子達からは、ちょくちょくあの幼馴染みがかっこいい、という話を聞いたことがある。
そのたびに首を傾げたりしたものだが。

「青峰くんて可愛いよねえー……」
「……はっ!?」

これ以上に私を驚かせる発言をした子は居ない。

あのデカくて黒くてバスケ馬鹿でデリカシーのかけらもないあの青峰大輝が。

「かっ、かわいい……?」
「うんっ! もうすっごくかわいい!」
「そ、そっか……そうなんだ……」

エリンギなめこ。私に衝撃発言をしてくれたのは、同じクラスの、至って普通の女の子である。

「あっ、青峰くんだ! 青峰くーん!」
「げっ、エリンギ」
「青峰くんこんなところでどうしたの? 次の授業数学でしょ? 数学の教科書忘れちゃった? 無くしちゃった? はい、私の貸してあげるよ!!」
「ちょっとは聞けよ俺の話! 俺まだなんも言ってねーけど!」
「あれ? 違うの?」
「……違わねーよムカつくなお前!」
「もー! 青峰くん可愛いんだから! 遠慮せずに使ってね!」
「おー。まあ机に出しとくだけだけどな」
「またあとでねーっ」

バスケットマンとしては恵まれた体格をしていて、年相応に粗野なところのある幼馴染みは基本的に女子にあまり好かれるタイプではないと思っていたのだけど。

「……なめこちゃんて、変わってる」

マネージャー仲間達に言われ続けた言葉を、ポツリと呟いた。


 
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