圧倒的ぼっち
こりゃまたノート買い足ししなきゃだなあ……。
カリカリと空いた時間を使ってメモを取りながらぼんやり考える。
三軍には指導以外の三年は居ない。おかげで少し気は楽であるが、数は少なくない。
入部したばかりの同級生はほとんどここにいるのだから。
最低限顔と名前くらいは一致しなければいけないし、希望ポジション、向いているポジションくらいは覚えたい。
ともなればある程度癖も知っておきたい。なにせ彼らは(勿論本人達は全くもって知る由もないが)、私の趣味における欲求を潤してくれているのだ。
そのお礼やお詫びというわけでもないが、出来る限りのサポートだとか、細かいところまで把握しておきたいのである。完全に私事だ。
それでも一応マネジメントする上で情報を活かすこともそれなりに考えているんだから、別に構わないだろうと開き直り。
空き時間に楽しくお喋りする他のマネージャー達からは少々浮いたりしながらも、練習する部員達と名簿を照らし合わせる。
「んん?」
一番最後の名前、どうやらクラスは少し遠い。
はて、この名前は今まで見かけたことがない。人の顔を覚えるのはどちらかといえば得意なので、まさか入部してから今まで来てないのか?
なんて、思って。
「黒子、テツヤ……」
と、思わず呟いた私の真後ろから。
「はい、なんですかマネージャーさん」
「ひょっ!?」
返事が帰ってくるなんて思いもしなかったわけだ。
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