夕陽に向かって走れ
マネージャーの仕事を終わらせて黒子のところにいくと、珍しいやつがいた。
「あれ? 青峰じゃん」
「あ、烏丸」
「? お知り合いなんですか?」
「クラスメートなのよ。なんで一軍のあんたがこっちにいんの?」
「あー、あっち最近人多くてよお、全然動けねーんだもん」
なんでも二人は最近知り合ったらしい。
まあ同級生でも生徒数多いし、クラスや部活で接点が無きゃ初めましてだよねなんて。
仕方がないので青峰の分のドリンクも用意してやりながら考えた。
「なあんだ、最近青峰来てたのかあ」
「なんだよ駄目かよ」
「いやいや、だったら私来なくても良かったなあって」
もちろん趣味の方では頭の中で掛け算してはにやつき回っているが、真面目な話。
私が黒子の自主練に顔を出していたのは練習相手と言う口実があったわけなので、青峰がいるのではその口実も無くなったことになる。
そう思って言ったのだけど、二人は同時に首を傾げやがった。
「青峰くんと烏丸さんは違いますし」
「つかお前バスケ出来るなら1on1しよーぜ! テツと組んで1on2でもいーぜ!」
「(バスケ馬鹿が二人……)よっしゃ黒子、青峰コテンパンにしよう」
「えっ、あっ、はい」
ひとしきり1on1とか1on2をやって、マジバに寄り道したりして。
うん、そうだな、前言撤回だ。
来て良かったと思います。こんなテンプレ通りの青春も悪くないもんだね。
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