▽馬鹿ばっかか!!! 
 


「想像以上過ぎて頭の頭痛が痛い……」
「す、スマン陸奥……」

お手製してやった山掛けテスト(及第点と合格点の設定の為でもある)の採点後のことだった。
馬鹿は私の予想を遥かに越えてきた。

「こんなに酷いなんて……いや、日向はまだマグル出身だから受け入れがたいところもあるかも知れないけど、影山……」
「俺達もそれは思った」

魔法史、わりと初歩的な、もはや常識とすら言えそうな問題を間違えまくっている影山飛雄の答案。
それから、それとはまた別、マグル学の山掛けテストの結果がまた酷い。

「鎌ち! あんたも論外! あんたこれ私が去年教えてやったとこ間違ってんじゃないわよ!! マグルにゃ魔力はねえっつってんだろ!!」
「魔力があるマグルも居るんだろ」
「それはマグル界じゃ異質なんだよバカヤロー! マグルは主に電気を使うっつってんでしょ! マグルの魔法は理工学技術だよ!」

杖を振れば一流なのに頭の中はド三流ときたものである。実践集団だからってこれはない。多分彼の頭には実習に関することとクイディッチに関することしかない。

「まあ、魔法薬は今回三年は暗記調合だからうちの寮はなんとかなるだろ」
「そうね……後の問題は……」

ちら、とまた手許に視線を落とす。

それぞれ筆跡のことなる数枚の回答。
魔法史、薬草学、妖精の魔法、防衛術、魔法薬学と、科目も様々だが。

「……この誰も彼も及第点すら越えないのをどうするか、よね」
「ものの見事に各寮それぞれに居るな」
「だいたい大丈夫とか言うから青城は完全にノーマークだったのに、矢巾と金田一め……魔法薬学駄目だったなんて……」
「うちの寮ってどうにも魔法薬と薬草学のどっちかが苦手みたいなんだよね〜……」
「しかしまさかここまで壊滅的だとは」

各寮長……もとい、各寮クイデッチキャプテン達と共に頭を抱えて、深々と溜め息をついた。


 
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