▽確かにそんな事も言った。
土曜日、臨時で授業があったりサークル活動で1日使ったり、真面目に自習したり、まあ大半が自由に時間を使う1日だ。
一応、(中には強制もあるが)自由参加制の補講授業も開催されたりもしている。私は行ったこと無いけど。
まあ、日曜日よりは縛りがあるが、一応休日に分類されても可笑しくない今日。
「いつでも付き合ってくれるって雛子さん言ったッスよね!」
「……お、おお?」
いつもより遅めの朝食に、食堂でロールパンをくわえていた私ににんまり笑った二口がそう言った。
練習用のローブ、両手に箒を持っている。
クイディッチか……て、いうか、
「あんたそれ私が部屋に置いてた私の箒」
「勝手に持ってきました!」
「なんだそれお前いっそ清々しいな!」
なんて後輩だろう。さすが伊達工生とでも言うべきか。
これからは防護魔法はもっと強力にかけようと密かに思いながらフルーツオレでロールパンを流し込んだ。
「仕方ない、いいよ。食後の運動と行こうか?」
「あ、それでね雛子さん」
「ん?」
ひょこっと二口の後ろから姿を表した、一回り小さいローブ。
「え、作並ちゃん?」
「宜しくお願いしますっ!」
「え? ん? 二口?」
「作並ちゃん、うちのキーパーになるかも知れないんで。今からチーム練習初参戦なんスよ!」
「……えっ!? マジで!?」
「はい! 頑張ります! 宜しくお願いします!」
きらきらとした笑顔でぎゅんぎゅん頭を下げる作並に混乱しながらも、二口から自分の箒を受け取って。
「あー、じゃあ張り切っていこうか?」
へらりと、二人の後輩に笑いかけ、競技場へと向かった。
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