彼氏様について。 
 


「謎だわ」
「は?」

豆乳をのみながら、合間に呟かれた言葉につい間抜けな声を落とした。
友人は冷ややかな声でお前のことだよと付け加え、再び、謎だと呟く。

「なにがよ」
「夏純ってさあ、普通に顔面レベル高いじゃん?」
「ありがと」
「どいたま。んで、バイトして自分の遊ぶ金とか趣味とかは一切親にたからないじゃん?」
「それが一番文句言われないからね」
「で、あんた結構影でモテてたし」
「まじかよ」
「マジだよ。なのにさあ……」

ぢゅ、と最後の一口を啜って、ちろりと斜め後方を一度見やって。

「なんで寄りによって宮地? ただのドルオタじゃん。かなり末期の」
「可愛いよね」
「きもいよ」
「見た目イケメンヤンキーなのにドルオタってギャップ可愛くない?」
「ひたすら残念だわ」
「しかも頭良いし強豪バスケ部スタメンよ?」
「一、二年は狙ってるやつも居るらしいけど三年で宮地褒めてんのあんたくらいだから」
「みんな見る目無いなあ……」
「三年女子はみんなあんたにだけは言われたくない台詞だからそれ」
「そんな事ありませんしー」

口の中で転がしていた飴をゴリッと噛み砕いて、唇を尖らせた。

「みんなドルオタドルオタ言い過ぎ。もっと別んとこ見なよ。まあ確かにドルオタじゃない宮地は宮地じゃないけどー」
「宮地の9割はドルオタじゃん」
「6割がアイドルで2割バスケであと1割ずつが私とその他って本人言ってましたし」
「おーいアイドルの1/6だしバスケの半分だぞ彼女。あんたそれでいいの?」
「え、なんで、十分だよ」

あいつの人生の中で、アイドルは何人かいて(とは言え殆どみゆみゆだろうけど)60%だけど、私は一人で10%占めてるじゃん?

じゅーぶん、と笑ってやると、険しい顔で盛大な舌打ちをされた。

「爆発しろリア充が」
「先週別れたんだっけドンマイプークス」
「ぶっころ」
「ごめんちょ」


 
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