利勝対絶

トランキライザー




プロテアのように咲く
 …俺は鮮やかな萼なのだろう。本当の花を眩ます程に色付いても、決して花には成れない。
パインのように甘くない
 …人生とは何分ままならないらしい。俺も、彼女も。
秘薬の弟切草
 …いずれ私が切り捨てる、なんて事があるだろうか。
鬼灯のように妖しげな
 …この姉弟は一体、たった15年でどういう関係を築いたのやら。
赤い苧環ではないらしい
 …昔を今に……か。どうにも、回りくどい事をするものだ。
紛れもないプラタナス
 …世の中イージーモードじゃ楽しくない。
思い出の中の藤袴
 …誰も本当の僕達を知らない。
匂い立つ牡丹
 …絶対的な存在に対する畏怖だけは、この世の全てが生まれながらに知っている。
ガーベラなんて無かった
 …なんでもないことだけ。どうでもいい日常が、一番欲しかった。
苧環を君に
 …寝る前5分にも満たない通話。それだけで、明日が、待ち遠しくなった。
屋上の昼顔
 …得体の知れないものと出会うのは、本の中だけで十分だ。
紅葉を抱いて
 …いつまでも、鮮やかなままではいられない。
霞草をくれた人
 …多分ずっと、この瞬間を待ち望んでた。
待ち望んだ実葛
 …ここに来るまで、随分長い回り道をした。
本当の白撫子
 …負けに甘んじるつもりはない。だけど、今はこれが真実だ。
月桂樹の冠
 …単なる言葉遊びみたいなものだ。だけど、初めてひとつ、勝てた気がする。
裏返し酸葉
 …似なくていいところばかり、似ている気がする。お陰で大事な事ばかり、またいいそびれている。
クリスマスローズの2人
 …つまりそういうことなのだ。



あとがき

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