帝光祭編:当日

 


「黄瀬くんの一部下さい!」
「私も!」
「私が先よ!」
「ちょっと押さないで!」
「あーハイハイ皆さん並んで下さいちゃんとお渡ししますんで」

昨年同様、新聞部のスペースは黄瀬のペーパーのおかげで(藍川が)大盛況だった。
列を成す女子は一年に任せて、藍川は少し当たりを見回してみる。

「あの、これお願いします!」
「あー……はい、こちらブロマイドになります」
「やった!!!」

携帯を差し出してくる女子の画面を確認して写真を渡す。
それからまた別の参加希望者から100円を受け取って引換券を渡し、また戻ってきて差し出された携帯画面をのぞく……なんてのを繰り返している。

男子バスケ部との合同の出し物も盛況であった。

言わずもがな、黄瀬の需要は高いが、それに次ぐのが赤司だった。しかもたいてい個人個人の入れ込み具合が酷い。
普段影から見るに徹しているだけあって、オープンにされると中々怖いものがある。特に知りたくなかったものだ。

「藍川さん、テツくんの引換券下さい!」
「ああ……桃井……はい」
「ありがとう!! 私頑張ってくるね!!」
「あ、うん、行ってらっしゃい……」

ちなみに黒子のブロマイドは3枚しか用意してない。桃井用に一枚、あと二枚は予備だ。当てもないが。

どうせ変装させたところで、(黒子以外は)元が目立つ集団だ。
参加者は結構な頻度でやってくる。

この様子ならほっといても一位は取れそうだな、と。
丁度よく「先輩も休憩どうぞ」と言われたので、どこか一般客立ち入り禁止の静かなところに移動しよう、と、ふらりと持ちスペースから遠ざかるのだった。







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