帝光祭編:準備
翌日、やたらと疲れきった顔の写真部の部長が、申し訳ないんだけどうちとの合同の話は無かったことにしてくれないかな、と涙ながらに訴えてきた。
原因もなにもかもわかっている藍川は、むしろごめんとしか言いようがなく、しかし自分がなにかをしたわけでもないのに謝るのも癪だったので、おとなしくわかったと頷くだけに留めた。
で、結果。
「写真部の人が物分かりの人で良かったよ! 怖い人だったらどうしようかと思ってたからね!」
あのセリフキャラ被りの赤司(しかもキセキを従えている)に"お願い"されたのでは、首を横に振れる生徒がこの学校にもはや存在しようもない。
と言うわけで結局、バスケ部と新聞部が合同のなにかをやることに大決定してしまった。
最悪である。
しかも、
「……だいたい、あんたらなにやるとか提案くらいはあるんでしょうね」
「ないよそんなの」
「今から考えりゃーいいじゃないッスか!」
これだ。
藍川は知っている。
この流れだと、大抵の場合、最終的に藍川に全てが回ってくる。
面倒なことは一事が万事、藍川任せになる。
更に。
「……あのさ黒子」
「はい?」
「あんた達、今"割とギクシャクしてる"んじゃなかったっけ?」
「…………あっ」
「もうお前ら帰れよ」
問題は山積みなのであった。