持つべきものは良い後輩
「つーか保科お前頭どうしたんだ?」
「若作りか?」
「ぶっ飛ばすわよあんた達」
ほんのり上気した顔で、数年振りに変わった髪型について触れた松川と花巻のコメントに軽く叩いて。
「俺がやったの。可愛いーデショ」
「はー……マジもう。私に可愛いとか言ってくれるの及川くらいよ」
「可愛いよ保科」
「保科可愛い」
「可愛い可愛い」
「そう言うのいらないから。岩泉はせめて揚げ出し豆腐から目離してこっち見なさいよ」
投げやりな友人達に険しい顔をしながら、お酒を傾けると。
「保科さんはどっちかっつーと綺麗ッスよね」
なんて。
赤い顔で金田一が言った。
「あんたいい子だねほんと……!」
相変わらずのらっきょ頭をわしわしと撫で回すと、やめてくださいよなんて抗議されたがお構いなしだ。
そんな私達のわきで、
「やるな金田一……」
「あれは可愛がられる天然だな」
「……らっきょはレベルアップした」
「ちょっ、国見真顔でボケんの止めろ」
と、他の面子はこそこそひそひそ笑う。
全部聞こえてるわよ。
「あんた達も金田一を見習いなさいよ。もっと紅一点を大事にしなさいよね!」
フンと鼻を鳴らせば、ごめんごめんなんて笑いながら。全く、説得力もなにもあったもんじゃないったら。
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