02
さて。影山と他の男子との橋渡しを完全に止めてから早三日。
意外や意外、一番に反応してきたのは国見だった。
「お前なんか最近感じ悪くない?」
「女子か」
「便秘でイライラしてんの? 生理でイライラしてんの?」
「どっちでもないですってか割と最低だな国見」
女子にかける言葉じゃないし、食事中に許される話題でもない。綺麗な顔して何てことを。
「じゃあなんで最近感じ悪いの?」
「……私って、国見にとってなんなの?」
「なにその質問彼女かよ」
「ちがわい」
「えー、なんだお前意味わかんねーな。普通に友達じゃねえの?」
「うん、友達」
うむ、そうだ、そうなんだよ。私って国見と友達なんだよ。
(ただのクラスメートって言われたらちょっと傷付くとこだった良かった)
「なに? お前どうした」
「誰かが嫌いってわけじゃなくて、影山とのパイプ役に使われてんのが誠に遺憾なのです」
フンッ、とジト目で睨んでみると、あー、と零してほんの少しだけ気まずそうに顔を背けた。
「……だって影山とまともに喋れんのお前だけなんだもん」
「国見だって喋れるっしょ!」
「やなの。喋りたくないの。なんか最近あいつ感じ悪いから」
「感じ悪い連呼されるとお前の方が感じ悪いぞ……」
はあ、と溜め息をついて。
わかってるけどさ、と頬杖。
「まあ、部活のゴタゴタだし。関係無いのに軽く巻き込んだ事は謝る」
「……うん」
「でもやっぱパイプ役は頼むかも知れない」
「おい!」
何一つ解決しなかった件について。
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