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「では紫原、秋といえば?」
「食欲の秋一択でしょ」
「さすが紫っち歪みねえスわ」

「で、駅前でスイパラの割引券ばら撒いてたから貰ってきたんだけど、あんた達行く?」
「行く」
「ああ、うん、紫原はそうだろうね」
「甘いもんばっか食ってどうすんだよ」
「スイパラはご飯ものも結構あるッスよ」
「僕も行ってみたいです」
「うんうん。あ、緑間も行くでしょ?」
「なんで決定事項なのだよ」
「文句あんのか甘党」
「ぐっ……」
「……」
「? 赤司、どうかした?」
「……スイパラってなんだ?」
「え、赤司っち知らないんすか?」
「まじかよお前」
「とりあえず甘いものがあるらしいのはわかった」
「うんまあそうだけども……。あ、じゃあ赤司も来る?」
「……そうだな。行ってみるよ」

「……なあ、俺ら超浮いてんだけど」
「甘党トリオのせいでしょ」
「いや多分まわりの人達黒子っち見えてないんで紫っちと緑間っちの所為っすわ」
「ていうかお前のせいじゃないのか?」
「俺!?」
「いやまあ多分誰のせいとかなくて男ばっかだからだと思うけどね」
「だからヤダっつったんだよ……あ、これめっちゃうめえ」
「馴染んでんじゃん」

「赤司、どう?」
「面白いね。いろんなものがあるし。まあ目的上多少落ち着きにかけるけど」
「あー、苦手?」
「いや、そうでもない。ああいう顔の緑間なんて滅多に見れるもんじゃないしね」
「え?」

「わー、ミドチンすげー顔」
「緑間くんお茶、お茶飲んでください!!」
「ちょっ、緑間大丈夫!? 赤司も紫原もなに呑気に観察してんのよ!!」
「んぐっ…………! んくっ……」
「だ、大丈夫?」
「餅が喉に詰まって死ぬかと思ったのだよ……」
「やめてよジジイじゃないんだから……」


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テーマ「人外ファンタジー」
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