陽泉と頭の緩い話。
「以上で合宿についての説明を終了する。お前たち、何か質問は？」
「ハーイ雅子ちゃんハーイ！」
「監督と呼べマネージャー。なんだ」
「おやつは！？」
「300円までだ」
「バナナはおやつに入りますかーっ？」
「入らん」
「意味わからんアル」
「日本ではな、合宿だとか遠足だとかの行事の打ち合わせではお約束の鉄板なんだよあれが。儀式みたいなもんだ」
「ふーん……変わってるアル」
「福井、またそんな事を……」
「つかおやつ300円までとか足んなくねぇ？ まいう棒だけで終わっちゃうし」
「アツシ、俺の分の300円も使っていいよ」
「600円かー……いやまだ厳しーなあ。福ちんと岡ちんは？」
「俺自分で300円使うからヤダね」
「ケチ」
「つか氷室甘やかすなよ」
「岡ちんは？」
「え、いやワシは……」
「おい岡村、バナナはおやつに入らねえからな」
「持ってこないよ！？」
「やだなあ福井ったらなに言ってんのよ」
「マネージャー……！」
「岡村にとってバナナはおやつじゃなくて主食でしょ？」
「あー、そっか」
「やっぱりね！ マネージャーもワシをゴリラ扱いか！ 予想はしてたけども！」
「アゴリラうるせーアル唾飛んでるアル」
「おやつの相談は後にしろお前ら。他に質問は？ ないか、無いな。いやもうするな。では解散！」
「……まさ子ちん、自己完結していったね」
「よっぽど私たちがめんどくさかったんだね……」
「お前それ自分で言う？」
「おやついつ買おっかなあ」
「アツシは前日に買った方がいいアル。じゃなきゃ合宿までに消費するアル」
「俺の部屋で預かってあげるよ」
「お〜、室ちん名案じゃーん」
「どこまでも他力本願じゃな」
「じゃあさ、明日みんなで買いに行こうよ。紫原駄菓子屋知ってるでしょ？」
「えーっ俺が案内すんの？ めんどくさ」
「まあまあ、岡村の分の300円もあげるからさ」
「んー……それならいいけど」
「ちょっと！？」
「イエーイ決まり！」
「ワシの300円んんんんん！！」
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