好きな人ほど苛めたい
2013/12/02 23:14

 
「森山先輩」
「うん? なに?」
「こ、これ、貰って、くれますか……?」
「……!!」

こっ、これは俗に言うラブレターってやつじゃないのかとうとう俺にもいわゆるモテ期到来って奴まさかこれ黄瀬宛てとかじゃないだろうな森山由孝様……あっうんはい正真正銘俺宛だな!!!

「あっ、恥ずかしいので私が居なくなってから読んで下さい! そっ、それじゃあ失礼しますっ」
「あっ、ちょっと……!」

しまった。俺とした事がクラスと名前を聞きそびれた。
しかしここに、俺の手の中に手掛かりがある。ぺり、と薄いピンク色のハートのシールを丁寧に剥がして、中の便箋を取り出すと。

そこにはど真ん中にでかでかと書かれた「はずれ」の字。

「…………」

そっと畳んで元通り封筒に戻してブレザーの内ポケットに入れる。
そのままの足でトイレに行き、個室に籠もってひっそり泣いた。



:)私は森山先輩が大好きです


 

prev | next





comment


prev | next





comment form

Name

E-mail

URL

Massage

PASS



Master only?






第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -