「ンん…ハァ……名前、おれ…」

口の周りを愛液で汚したセッコが、顔を上げて切なそうに彼女の名前を呼んだ。


「なん、か…、つらいんだよォオ…」

先ほどから名前の太ももに無意識に擦り付けていたセッコのそれは既に硬くなっている。


身体はこんなに男なのに、セッコはまるで子供のように何も知らなくて、ただ自分の身体の熱っぽさに困惑している。

そんな彼を名前は愛らしく感じた。

いつも絶対的優位に立って、名前を言葉や道具で、時には周囲の人間の目まで使って散々にいたぶるチョコラータとは違い、セッコは全身でただ単純に名前を求めていた。



「私を起こして。セッコも気持ちよくしてあげるから」


抱き起こされた名前は首をもたげ、まずキスをする。

ついさっきまで自分の中に入っていた長い舌に自分の舌を絡め唾液を交換すると、口を離したセッコが「名前の口って甘ぇ」と嬉しそうに言った。


そしてセッコの腰に巻きついている白い包帯を引っ張り、緩んできたところから下着をみつけ、それをずらして中の膨張したペニスを解放してやる。
名前はその動作を全て口のみでやってのけた。

そのままそこに舌を這わしていく。

下から上へ、徐々に感度の高い箇所へ移動させ、特にくびれの部分は念入りに唾液をまぶしつけるようにして責める。

これらはチョコラータに教えこまれた方法だった。


セッコのペニスを頬張ったまま、名前は赤いランプの光る方を向いて淫靡に微笑んで見せる。

最愛の恋人が自分の手下のような男のモノを自ら咥えているところを見せられて、チョコラータはどんな顔をするだろうか。

名前はそんなことを考えて、もしかしたら自分にもチョコラータと同じような性癖があるのかもしれないと思った。



「アグ…うっ、ああ…っ」

深く咥えこんで顔を上下させ舌と頬の裏側で愛撫をしてやっていると、暫くしてセッコが低い声で呻き、名前の口の中に勢い良く性液を放った。


舌の上に溜まった苦い液を一旦口を開けてカメラに見せつけ、それから喉をごくんと鳴らして飲み下す。

名前はまるでアダルトビデオ女優になった気分だった。



セッコのペニスは一度放出した後も、もう一度口の中に含んで軽く舐めやるとまたすぐに元気良く鎌首をもたげた。


「今度は口じゃなくて、ここ」

セッコの顔を見上げ、再び目線を下ろしてそこを示す。


「ほら、ここだよ」


本当は手で広げて見せてやりたいくらいだったが、それは叶わない。

名前の意図を理解したセッコは彼女の身体をベッドにゆっくりと倒し、その上に自分も重なった。


「うぐ……名前、これ難しいぞ…」


しかし慣れない腰つきで無理に押し込もうとするので滑ってなかなか入らない。

縛られている所為で足をあまり開けないこともあって、より入れにくそうだった。

セッコは焦れてまた「ううう!」と唸っている。



「セッコ、もっとちゃんと支えて、そう…あ、入ってきたよ…」

先端がぐにゅりと潜り込むと、充分濡れた中はそれをすんなりと奥まで受け入れた。

恍惚の表情で荒い息を吐いているセッコに、名前は「縛られてさえいなければ両手で抱きしめてやれるのに」と残念に思う。


「んん…ん、セッコ、全部入ったから、次は…。…っ!あああ!」

セッコは奥まで届いた途端、名前の言葉も聞かず、何かに憑かれたかのように全力で腰を前後させた。

名前の反応などお構いなしに、一気に突き上げて、ギリギリまで引き抜き、また突き上げる。


「なん…だコレッ!すごく、気持ちイイッ…!」

「ひッ、や…あッあ、ダメ……ッ」


急に乱暴に扱われ、名前は強引に絶頂させられてしまった。

余韻に浸る暇もなく、全く気を使ってくれないセッコに中を滅茶苦茶にされ、続いて二度も三度も連続で気をやってしまう。

名前はカメラを挑発するのも忘れてセッコの蹂躙に身を任せ、声が嗄れるかと思うほど喘いだ。




「ぐっ、…名前、名前…あぐっ、イくう!…」

失神している名前の頬を犬のように舐めながら、セッコは自分の好きなだけ動き、最後に奥深くに白い液を吐き出した。







縛られたままの手足が痺れてきて痛い。

「ね、これ外して…」

声をかけられ、半分眠りかけていたセッコは慌てて名前を拘束していた包帯を解いてくれた。


ようやく自由になった身体を一度伸ばし、服を着なおしてから半裸のセッコを抱き寄せて、自分も寝る態勢に入る。

手首を見ると赤く痕が残ってしまっていた。

目立つ場所なのに、嫌だな。


名前の表情に気付いたセッコが申し訳なさそうにそこをぺろぺろと舐める。

「セッコは悪くないよ」

そう言って頭を撫でてやるとセッコは子供のような無邪気な顔で「へへへ」と笑った。




「なぁ…名前。トリックとトリートって、おんなじ意味だったんだな…」


眠りに入る直前、セッコがぽつりと言ったその言葉に、名前はこの可愛い子とこれからも「仲良く」したいなと思った。

チョコラータがいくら怒ったって、自業自得なんだから。


名前は全てが彼の計画通りだということに最後まで気付かず、そのままゆっくりと眠りについた。

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