「脚を自分で開け。よく見えるように手で広げるんだ」

最初は猫撫で声で優しく促すようだったメローネの口調が、行為を深めていくにつれ段々と乱暴なものになっている。


「いくらなんでも濡らし過ぎだろ、これ」

言われて開いた愛液まみれのそこに、彼の冷ややかな視線が浴びせられた。


ああ、この感覚。

胸を締め付けられるような甘い苦しみにうっとりとしながら、名前は窮屈なソファーいっぱいに脚を開いてメローネを受け入れた。




ぐちゃぐちゃに濡れた奥に一度目の射精をされた頃にはもう、名前は彼の最初の言葉の意味を完全に理解できるようになっていた。

メローネは名前を愛していないし、名前にも彼に対する温かい感情はない。寧ろ軽蔑し合ってさえいる。

それが凄く良かった。
その事実を意識する度中がひくつき、煽られたメローネが乱暴に動き、お互いに貪るように身体を求め合った。


嫌悪すべき男と交わっている自分、その男を感じさせている自分。

被虐願望と征服欲を同時に満たすことができるセックス。

メローネが自分に求めていたものが何だったのかを理解し、それを共有した名前は、それから一晩中彼と乱れ狂った。






「じゃあ、また機会があったら一緒に楽しもうね」

翌朝、メローネはそう言って部屋のドアを閉めた。

でもその機会はきっと当分訪れない。
今や彼の同類となった名前は、メローネの考えていることが自分のことのように分かっていた。


折のいいことに、今日は休日だった。

彼が去った部屋、名前は道具を並べた三面鏡の前に座り、念入りに化粧を始める。

彼女は今夜、街へ出掛けて素質のありそうな男に声をかける。
丁度メローネが彼女にしたことと同じように。

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