Diary-Levi- | ナノ

1周年記念日


ちょうど1年前の今日、エレンに「オレと本命として付き合う事を考えてみてもらえませんか?」という言葉を貰った。

当時の俺には、諸事情からそれを真っ向から受け取れるだけの勇気も状況も無く……純粋な喜びだけではなかったが、それでも言葉に出来ない程の歓喜があった。真っ向から全てを受け取める事が出来なくても、気持ちの上ではこれ以上無い歓びが俺の心を占めた。

もちろんエレンはそんな俺の事を理解した上での告白だった。……せっかちで、待てなかったと。そう言ってくれたエレンが可愛くて、愛しくて…堪らなかった。

嬉しくて…俺は「朝起きて夢オチだったら立ち直れねえ」と冗談混じりに言ったっけな。そうしたら「夢オチじゃないと言いに明日の朝また会いに来ます」だと。……日々に疲れていた俺は、アイツの言葉に安らかに眠りに入れた。(が、夢オチが気になって眠りは浅く、何度も起きてエレンの言葉を見返した…)



当時、俺は情けねえ事にエレンの気持ちを信じる勇気が無かった。だから、ただ俺がアイツを好きなだけだと、それだけで良いと思っていた。アイツの気持ちは要らないと。
……愛される事を諦めていた。その方が、色々と楽だったから。

相手からの気持ちを貰うのを諦めた俺がアイツに『俺のエレン』などと呼ぶのは、おこがましいと思っていたし…愛される自信を失っていた俺には、そう呼ぶ事も出来なかった。

それでも…好きな奴に好きだと言われりゃ、やっぱり嬉しくなるもんなんだな…人間てのは。エレンの気持ちを聞いてから、月並みだが…日々が彩られるようだった。



それから少しして、やはりエレンと付き合う事は出来ねえと思った事もあった。…エレンが悪い訳じゃねえぞ。こっちの諸事情で、付き合ったらエレンに迷惑を掛けると思ったからだ。
何とか、事を乗り切った後にエレンに話をした(※事後報告)ら「アンタは馬鹿だ」って暴言吐かれたっけな。敬語もどっか行ってて怒られたっけか(苦笑)



そんなこんなした後で、ようやく俺の心の準備が整った。初めて告白を受けた時から…いや、本当はその前からだろうか。俺はいつか、アイツを「俺のエレン」と呼べる日をずっと待っていた。

エレンはずっと、俺を急かさなかった。どんなに話をしても、言葉を放棄しなかった。いつも真っ直ぐに向き合ってくれて、無償に俺を支えてくれた。



陽だまりのような俺のエレン。アイツの気持ちは、俺の心をあっという間に溶かしてしまった。



だが、想いが通じ合って3ヶ月くらいで今度は俺のガンの告知だ。つくづく俺は面倒な奴だと溜息が出た。
当時エレンにはまだ知らせていなかったが、俺はエレンに別れを告げようと思った…これで2度目だな。(1度目はまだ正式に付き合って無かったが)

エレンと少しでも会いたくて、空いてる休みの度にエレンの元へ足を運んで…少しでも長く、「俺のエレン」を感じていたかった日々。……今となってはそれも想い出に過ぎねえが(苦笑)


結局アイツに言っちまって……離れないと言ってくれたエレンの傍に、こうして今も在る事が出来ている。……エレンには、感謝の言葉も無え。

手術して退院してから、旅行なんかも行ったりしたな。……俺はアイツよりも無駄に生きてる訳だが、恋人と旅行に行ったのなんて初めてだった。
傍にいて、こんなに幸せな気持ちにさせてくれる奴を、俺は他に知らない。エレンがいると安心出来て、隣にいると心が凪いで行く。……幸せだと、会う度に実感する。アイツの存在が、俺の幸せなんだと。

これから先、ずっとずっと…アイツの隣に居させて欲しい。……柄じゃねえが…愛してるんだ。……愛しくて、大切で、堪らない。



この1年、色々あった。濃い1年ではあったが、それを抜きにしても…アイツとはもっとずっと前から一緒にいるような気もする。…それぐらい、心を預けている。全てを晒け出していられる。
こんな風に出来るのは…アイツだからだ。


俺の、俺だけのエレン。これからも傍にいてくれ。
―――世界で一番、愛してる。

2014/10/14 00:00
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