「ほんとに女の子だ…」
「本当に女の子ね…」
「本当に女の子です…」
「ホンマに女の子や…」
「・・・・・・・・・・・・」









ガールズトーク










オレが女の子になってしまった翌日。
オレは豪炎寺と一緒に河川敷に行った。
練習を始める前に俺が女の子になっちゃった事をまずみんなに報告した。


鬼道はぽかんと開いた口が塞がらなくなってたし、
小暮は眉間にしわを寄せて「何それ?なんの冗談?」なんていってたし、
立向居はなんだか青くなっていたし、
綱海は「へーそんなこともおこるんだなぁ〜」て感心してた。



染岡は…なんか吹雪の一大事だ!と言って北海道に行ってるらしくてここにはいなかったけど…




隣の豪炎寺はみんなの様子を見てまぁそうなるだろうと頷いていた。
オレはなんだか申し訳なくって苦笑いしながらぽりぽりと頬を掻いた。


みんなが混乱して戸惑っている中、チームの女の子達がこっちによって来た。



「円堂くん、女の子になっちゃったって…」
「ホンマにホンマなん?うち信じられへんわ〜」



最初に話しかけて来たのが木野とリカだ。
木野は本当に心配そうに眉をはの字にして。
リカは肩眉を上げて、ちょっと戸惑ってるみたいだ。
塔子と音無、夏見は2人の後から心配そうにこちらを見ている。


本当に女の子なんだよ〜と木野と話していたら



「ちょっと失礼」
「わぁ!!」



何の前触れもなくいきなりリカが俺の胸を掴んできた。
今まで放心してた男性人はみんなぎょっとして、隣の豪炎寺は仰天しながら勢いよくこちらを見てきた。



「あ!ホンマや〜おっぱいある。しかもそれなりに大きいんちゃう?」



なんて遠慮なしに言うもんだから、男性陣は赤くなったり青くなったり、表情が忙しい
豪炎寺もバツが悪そうに向こうを向いている。

他の女の子達も「ほんとに?私もちょっといい?」「あっほんとだ!円堂先輩けっこうありますねいいな〜」とか各々興味深々で触っている。
オレはもうどうしていいか分からなくて、真っ赤になりながらされるがままになっていた。



「それはええけど、円堂ブラしてへんやんか」


リカがそんなことを言い出すもんだから、男性陣は勘弁してくれと言うようにそわそわしている。



「ダメだよ!円堂くん。ちゃんとしないと将来垂れちゃうよ!」
「運動したりしたら痛いですよ!」
「雨が降ったりしたら大変だし…」
「ぴったりした服も着れないし…」


「「「「「ちゃんとしたのつけなくちゃダメだよ」」」」」


女の子5人に迫られてオレは一体どうしたらいいんだ…



「えええええと…豪炎寺…」



豪炎寺に助けを求めたら



「…買いに…連れて行ってもらったらどうだ…?」



顔を真っ赤にしてそっぽ向かれてしまった。



「そうだね…それがいいよ円堂くん!」
「さっそく車を出しましょう」
「私かわいいお店知ってるんですよ!そこ行きましょう!」
「わぁいなんか楽しみ!」
「うちもダーリンのために1着くらい買うとこか〜」



オレの腕をがっしりと掴んで、ずるずると引きずられて、夏未が用意してくれた車に連れて行かれる。

引きずられながら、頼みの綱の監督に 「監督!オレはそんなのなくてもサッカーできます!」 と訴えてみたけど…



「…ダメよ…円堂くん。連れて行ってもらいなさい」



と大きく頷かれてしまった。
そうだ…監督も女の人なんだよな…


最後の希望にも裏切られオレは成すすべなく車に乗せられてしまった。


その後は、音無お勧めの「らんじぇりー・しょっぷ」に連れて行かれて、あーでもないこーでもないと色々下着を試着させられて、
女の子達も自分の下着を選んだりして、皆が買い終わって家に帰る頃にはすっかり日が暮れて夜になってしまっていた。


その夜心配してくれた豪炎寺から電話があって、初めての女性物の下着店に入る恥ずかしさとか、
目のやり場に困ったとか、色々話したいことがあったんだけど…


もうオレは疲れきってこれだけしか言えなかった。




女の子のパワーって本当にすごい。







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男子のことを気にせずガールズトークを繰り広げる皆さんが書きたかった。
リカさんはそういうの全く気にしないと思います。
ていうか、共学の男女なんてこんなもん・・・ですよね…??






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