「主、いい加減に起きて下さい。いや、起きろ」

「…ん、おはよう?…カロン」

「『おはよう?』じゃないだろ?ケルベロスと息抜きに遊んでくるって言っといて中々帰らない…見に来たら来たで寝てる。しかも、周りまで巻き込んでるし。ほら、周り、よく見てみろよ」

「…あれ…なんで子ども達がいるんだ?タナトスもヒュプノスも寝てるじゃないか…」

「アンタが余りにも気持ち良さそうにケルベロスを枕にして寝てるから、ガキ共が気になって寄って来たんだと。それを見つけたタナトスも来たはいいけど、ほら、案の定、主を起こせず仕舞いで終わり。最後に好奇心に駆られたヒュプノスが、主が寝てるの見て俺も寝るって騒ぎ出してこのざまだ。で、保護者組は眠気にあてられないようにちょっと離れて見てるわけ」

「ああ、通りで向こうで笑ってるんだな。…ん、でも私は今ものすごく眠たいんだか…」

「いや、寝るなよ?寝たらダメだからな、つか話的に起きなくちゃダメだろうが。おい、ちょっ、服引っ張るなよ主!」

「たまには昼寝もいいじゃないか?本当に危なくなったらヘカテが起こしに来てくれるし…なんだったら皆で寝てもいいな…ケルベロスはもふもふしてて温かいし、子ども達だってこうぎゅうっとすれば気持ち良いぞ?」

「気持ち良いぞって…もふもふって、柄でもないだろうに」

「…まぁ、柄じゃなくてもいいんだろ、そんなこと。それより、向こうの皆も呼んでお昼寝しよう…ヘカテは寝れないから、今度お菓子とヘッドドレスでもプレゼントして…ふ、ぁ…もう眠い…」

「あーもー…主の好きにしろよ。つか寝るなら寝ろ」

「ん、そうするよ…おやすみカロン、皆」

「…おやすみなさいませ、馬鹿主」


はぶ あ れすと

(ケルベロスの周りに大の大人から子どもまでねぇ…えらく気持ち良さそうに眠っていること。あとで写真でも撮って奥様に送ってあげなくちゃいけないわね。…にしても、私を除けものにした分、どうやって起こして差し上げましょう?)

((ヘカテ様、どうかご慈悲をー!!))





2010/06/06