人生イージーモード | ナノ







相手の本拠地をつぶさなくてはならないそうだけど、とりあえずはさっき外でリゾットを襲ってきたスタンド使いが先だ。思えばずいぶん時間が経っている。逃げてしまっているかもしれない。
自分が優位の状態だったからと突然相手が消えても気にせずその場にとどまるような人だったら嬉しいんだけどな。まあ一概にその場から離れることが正しいとは言えないけれど。
リゾットと二人で鏡を覗き込む。


「……いたね」
「いたな」

……いました。
鏡のぞいたらいたよ。うわあ。これは酷い。フルボッコ確定だ。

「それじゃあ手はずどおり、まずはメタリカをこっちに入れるね」
「頼む」
「メタリカを許可するッ!」

ボコり方の詳細だけど、至って単純。敵本体のみを引き込んでマンミラとメタリカでボコるのだ。正直メタリカだけで十分。
ところでメタリカちゃんロォォォオドォオオってかわいい。

「それじゃあいくぜ」
「ああ。準備はできている」
「敵本体を入れろ!スタンドは許可しないッ!」

しっかし一々これ許可しないとか言わないとだめなのかな。なくても大丈夫そうだけど無かったらそれはそれでいきなりだからやっぱり合図がほしいよね。
と、そんなことは置いておいて。
マン・イン・ザ・ミラーによって引き込まれた敵本体があたふたしているところをメタリカちゃんでサクッと一発。はやい。

息絶えた男は放置してリゾットが言うとおりに鏡の中を歩く。やっぱり射程距離がないっていいね。自由にどこまでも動き放題だ。
そして私も運び屋として少し裏と関わってきたせいでずいぶん度胸がついてしまった。
心の中でだけでも手は合わせておこう。
南無南無。
来世では幸せに。

「ところで名前は?おれはイルーゾォ」
「リゾット・ネエロだ」
「リゾットね。よろしく」

今更でした。
心の中では散々リゾットだとかリーダーだとか呼んでるせいで自己紹介していなかったことに気づかなかった。
不覚ッ!
まあリゾットも気づいてなかったみたいで「ああそういえば」みたいな顔してるからお相子だ。

歩くこと十数分。
敵本拠地である何か倉庫みたいなところを発見しました。
鏡の中だから安全に乗り込めるね。
万が一中に鏡がなかっても一回外に出てから奴らの本拠地に手鏡放り込んだら仕舞いだよね。つくづくチート能力です。


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