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「ホルマジオー!!」
「おー、どうした?」
「いやね、このところ兄貴って長期任務ばっかじゃん?疲れてるだろうしいつも世話になってるし、何かしてあげられたらなって思って……何かいいのない?」
「んー、そうだな……特技は?」
「ゲーム」
「ですよねー」
「むしろおれにゲーム以外の特技があるのかどうか……」
「すげー怪しいな。逆にすげーわ」
「ひどい」
はい、こんにちは。話した通り、兄貴への感謝をこめて何かしたいと思いますってことで何しよう私何も特技ないよどうしよう。
まあ、もちろん?何も思いつかないからホルマジオさんに縋っているわけですが……。
「……肩たたき?」
「こどもか」
「いやおれまだこどもですけど?」
「そういえばそうだったな」
「世間一般ではこどもで許される年齢です」
いいとは思う。ただ肩たたきだけで日頃の感謝までは伝えられないだろう!他はないのか……ちゃんと肩たたきもするうん大丈夫。
本当にゲームに関する器用さを他に活かせればいいんだけど……。あ、でもそうしたらゲーム下手になるから別にいいや。ゲームをちゃんと楽しめなくなったらレんじゃう気がする。
「あとはなー……定番と言えば料理か?」
「ギクッ」
「あ?」
「べ、別に料理ができないとか言ってないんだから!」
「言ってるようなもんだぜそれ」
「料理は、料理だけは!!」
「何だよ、そんなに酷いのか?」
……あれは酷いなんてもんじゃない。うん。絶対。
見た目の割りに酷い味がするもんだから性質が悪いんだよね……。そんなものを兄貴に食べさせるなんて無理に決まってるだろう!
食べた人10人が10人お腹おさえて倒れる程度の料理。これはひどい。
別に相手を腹痛にさせる程度の能力とかいらないから。いりません、利子つけてお返しします。
「こりゃあ特訓だな」
「ファッ!?」
え?特訓?嫌だなあホルマジオさん、何を言っているんですか?イカレてるのか?
「覚悟はいいか?オレはできてる」
「はいごめんなさい」
ホルマジオ特製愛の拳骨はすごく痛かったです。
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