人生イージーモード | ナノ



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「ついたぞイルーゾォ」
「おぉぉ……!」

今すっげー大きな服屋さんに来てます。
実は私、服を数着しかもっていなくてですね。ほら、正直食料費稼ぐだけで精一杯だったじゃないですか。服なんて着まわしできるんだしいいかなって。
女子にあるまじきことですか。今は男子だからいいや。
それで、それを聞いた兄貴が「買ってやるから行ってこい」ですよ。マジ兄貴男前。
ちなみに兄貴はまた別件で用事のようなのでホルマジオが付き添いです。
マジオも男前ですよ。「おう、じゃあ俺が連れて行ってやるよ」ですよ。

「なあホルマジオ!」
「好きなの選べ。値段は考えろよ?」
「うん!」

まあ元女としてはそれなりにファッションにも気を使いたいんですよ。だからこれはすごく嬉しい申し出でして。
もちろん兄貴に買ってもらうわけだから限度は考えるけど。
それにしても逐一値段は考えろって言うってことは暗チ貧乏説はあたり?

「えーっと、とりあえず普段着、部屋着、……仕事着?」
「ブッなんだよ仕事着って」
「いやだってまあ……ねえ?」
「俺にきくなよ」

あの見た目キルティング仕様なイルーゾォちゃんのコスチュームがあるのかどうか。
あったらびっくりだけどな!それにしても暗チの皆さんの服ってどうやって調達してるんだろうか。リーダーとかメローネとか……あ、でもリーダーは中着てないだけだから普通なのかな?問題はメローネ、貴様だ。
イルーちゃんもなかなか個性的な服をお召しになっていらっしゃったけど……。

「あった……!?」

イルーゾォの……衣装が……あっただと……!?
どんな店だよここ!買う?買っちゃう?値段は……。
……。…………。一桁多いよ。うん。あきらめよう。
また金に余裕ができたら自分で買おう。そうしよう。

「ホルマジオ!これ似合う?」
「いいんじゃねぇの?こっちはどうだ?」
「おお!それもいいなぁ!」

なんて楽しく服選びは終了!
買ってくるからそこで待ってろって、またホルマジオは男前ですな。
まあ兄貴からのお金はホルマジオが持ってるしな。そういうわけでレジの近くの服を見ていたのですが……。

「大人しくしろ」
「動かないでね」

これはどういうこと。


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